高知の卸売業のウェブサイトリニューアル。サービスコンセプトと戦略を見直し、コンテンツに反映。ウェブ広告活用でで売上が倍増。5年で売上12倍に。
プロジェクト概要
取扱製品では差別化できない卸売業のウェブサイトリニューアル。
見込客のニーズと競合他社との違いを捉え、コンセプトと戦略を見直し。
サービス名や訴求ポイントを変更し、ウェブサイトとリスティング広告に反映した結果、売上が2年後に4倍、3年後には7倍、5年後には12倍に。
この事例のポイント
- 自社でウェブサイトを制作、ウェブ広告を展開していたが、競合も多く伸び悩んでいた
- ウェブコンサル会社に、戦略策定とサイトリニューアルを依頼していたが、納得のいくウェブサイトにならなかった
- 公開前のウェブサイトを諦めて、強みの探索、競合リサーチからやり直すことを決断
- ネクストメディアは、リサーチ、戦略変更、コンセプト変更、ウェブサイトリニューアル、コンテンツの書き起こし、ウェブ広告の初期設計、自走化を支援
- リニューアルしたウェブサイトはキャッチコピーだけでなく、ブランドカラー、サービス名称など全てを大幅に変更
- コンセプトをコンテンツとウェブ広告にも反映し、PDCAを回しながら、お客さまに選ばれる訴求ポイントを発見
- 検索エンジンにも評価され、複数エリアのビッグワードで上位表示し、次々と注文が入る状態に
- リニューアル後もエリア拡大、CM制作、解説動画制作、コンテンツ拡充など継続支援中
抱えていた課題
高知の卸売会社が、ウェブサイトとウェブ広告で消費者への直接販売をスタート。
しかしライバルとの競争は激しく、打開策が見い出せない状況に。
コンサルティング会社に依頼するも、1年以上経過しても納得のいくウェブサイトに仕上がらなかった。
ご相談当初、初めてお会いしてすぐに社長がお怒りであることが分かる。
初回の打ち合わせから、ピリピリした雰囲気でした。
住宅用商材の卸売会社であるA社さんは、 4年前に自社でウェブサイトを立ち上げます。
ウェブ広告も活用しながら、直接消費者さん向けに商品販売をする新規事業に取り組んでいました。
しかしライバルも多く、「製品を仕入れて販売する」という卸売業の特性上、明確な差別化要素を見いだせず、価格競争に巻き込まれていました。
自社だけで売り上げを伸ばすことに限界を感じ、1年ほど前に県外のウェブコンサルティング会社にウェブサイトの戦略立案も含めたリニューアルを依頼。
ところが1年以上経過しても、納得のいくウェブサイトは完成せず、「何が気に入らないのか指摘してくれたら修正しますよ」とコンサルタントに言われても、うまく説明できずにいました。
「でも、何かが違う。このままではお客さまに選んでいただけない。だから、ウェブサイト公開できない」と悩んでいらっしゃいました。
「感覚的に今のままのウェブサイトではダメだというのがわかるのですが、具体的に何をどう変更すれば良いのか、明確に説明することができません。 説明できない私たちも良くないのかもしれませんが、プロと見込んで依頼したからには、そこも汲み取って提案していただけるのがプロの仕事ではないでしょうか?」
「可能性はあると思っています。でも、客観的に見て無理だと思ったら、 正直にそう言ってください」
そう話した社長の表情からは、怒りよりも悔しさを感じました。
解決に向けたご提案
1年以上の労力と費用を返上し、もう一度ゼロから可能性を探すことに。サービス名もブランドカラーも、文章も全て刷新。
僕たちは社長から話を伺って、これまでに制作してきたウェブサイトのデザインや企画書などをご一緒に確認しました。
企画書や調査資料までさかのぼって拝見した理由は、最終成果物であるデザインだけを拝見しても、A社長がおっしゃる「言葉にならない違和感」が何なのか、明確にできないと考えたからです。
デザインの前段では、SWOT分析やSEO調査など、必要なプロセスを踏み、それぞれのステップでは議論を十分交わした上で、ウェブサイトの制作を進めてきたとのことです。
しかし、確かに何かが違う。
「お客様に選んでいただける気がしない」というA社長の感覚は、僕たちにも同様に感じられました。
結論、僕たちはコンサルティング会社が1年以上かけてやってきた全ての施策をゼロにすることを、ご提案するしかありませんでした。
「何かが違う」というA社長の直感は、デザインの変更やキャッチコピーの書き換えでどうにかなるものではなく、ウェブサイト全体から醸し出されている「企業姿勢が感じられない雰囲気」への違和感や、A社長が大事にされている「サービスへの信頼性」が感じられない点が要因だと考えたからです。
僕たちは、現状リサーチを再度行い、勝ち筋を見極めたうえで、コンセプト構築、戦略立案をやり直し、そのうえで納得がいけば、改めてウェブサイトのリニューアルをするご提案をしました。
「1年前にも通ってきた全てのプロセスを、再度同じような時間と予算をかけて、僕たちと一緒にやり直す気持ちはありますか?」
しかも、これを丁寧にやったとしても、成功を100%保障するものではないこともお伝えしました。
これまでの成果物を捨てて、もう一度ゼロから戦略と施策を組み立てる。今から振り返っても、”トンデモ提案” に思えても仕方がない内容だったように思います。
しかし、僕たちとの会話の中で、何か可能性を感じてくださったのか、あるいは諦めきれなかったのか、A社長は文字通り「決めて、断つ」=決断していただき、 顧客、商品、自社のサービスや体制、競合他社に関するヒアリングとリサーチから着手することになりました。
大きく変更したポイントは4つ。
- サービス名の変更
- メインカラーを赤から緑に変更
- 全ての文章をゼロから書き直し
- 訴求ポイント(強み)を3つに絞り込み
- 4 をA/Bテストするためのウェブ広告を設計
出来上がったウェブサイトは、同じ商品を売っているウェブサイトではあるものの、その見た目や雰囲気は大きく異なるものになっていました。
少し緊張しながら、最終チェックを終えたデモサイトをA社長に確認したところ、「公開しましょう!」と笑顔で頷いてくださいました。
これまでの成果
ウェブサイト公開!ウェブ広告の配信スタート。
アクセスデータを見ながら、広告とランディングページのキャッチコピーを改善。
最初はエリアを限定してウェブ広告を配信しましたが、広告費は毎日消化されていくため、問い合わせが気になってお互いにソワソワしていたと思います。
そして、初めての問い合わせが来ました…!
注文も決定!
長い準備期間を経て、「お客さまに買いたいと思ってもらえる」ウェブサイトになったと少しだけ安心できた瞬間でもありました。
ウェブ広告のデータを見ながら、数カ月後に訴求ポイントを見直し、キャッチコピーを入れ替えたところ、安定的に注文が入るようになり、検索エンジンでの主要なキーワードでも軒並み 1−2位を取れるようになるとウェブサイトのセッション数は大きく伸び、それに比例して注文件数、売上も伸びていきました。
初年度は、在庫切れで販売を止めなければならないほど注文数を伸ばすことができ、「在庫があれば、もっといけたのに… 惜しい… でも、本当に忙しかった…!」と嬉しい悲鳴。
その後もエリアを拡大しながら、売上を順調に伸ばし、3年後の売上は初年度の6.8倍。
5年後の現在は12倍と大きく伸ばすことができました。
今後の展望
成果が上がっても改善をし続けるためにお客さまアンケートを実施。
アンケート結果をもとにサービスを改善、新たなコンテンツを追加して高い評価を獲得。
A社さんがすごいなと思うところは、成果が出ても、そこに甘んじずに「よりよいサービスを提供しよう」という熱意が全く下がらない点です。
お一人おひとりのお客さまから、丁寧に手書きのアンケートを回収し、その意見を見ながら現場のサービスを改善。
また、その結果を僕たちにも共有いただき、新たなコンテンツやプロモーション施策を実施していきました。売上が伸び始め、成功パターンが見えてきてからも、新たに下記のような施策をご一緒に実施しました。
- ウェブ広告で理解したお客さまのニーズに沿ったテレビCMを制作(絵コンテの制作、CM動画制作をネクストメディアが担当させていただきました)
- 企業姿勢、サービスの考え方を伝える動画を制作(動画のシナリオ、ディレクションを担当させていただきました)
- お客さまアンケートの結果を踏まえたコンセプトページのリニューアル(設計、制作を担当させていただきました)
さらには、商材を変えた新規事業についてもアイデア段階からご相談いただき、新たにサービスサイトを立ち上げることもご一緒させていただいています。
取り組み・アプローチ
ネクストメディアのご支援領域とアプローチ
ネクストメディアの取り組み・アプローチ
- 自社でウェブサイトを制作、ウェブ広告を展開していたが、競合も多く伸び悩んでいた
- 公開前のウェブサイトを諦めて、強みの探索、競合リサーチからやり直すことを決断
- 検索エンジンにも評価され、複数エリアのビッグワードで上位表示し、次々と注文が入る状態に
大きく変更したポイントは4つ。
- 現状分析
- 強みの言語化&戦略の可視化
- ウェブサイトリニューアル
- コンテンツ制作(コピーライティング、図表、キャラクター、イラスト制作)
- ウェブ広告の設計 / 運用代行 / 自走化支援
- データ分析/アクセス解析
- 動画コンテンツ制作(テレビCM / 解説動画)
- 新規事業の企画 / 設計